シャーブ・アリ エリア(Shaab Ali)

沈潜ティスルゴム(THISTLEGORM)

 

ティスルゴームは第二次大戦中に、南アフリカのケープタウンから北アフリカまでを主に航行していたイギリスの軍用輸送船です。

全長126m、幅18m、最大積載量4898トンの船内には、軍用蒸気機関車、レイルタンカー、軍用トラック、ジープ、バイク、分解された戦闘機、弾薬、諸々のスペアパーツを積んでいました。

1941年10月6日にクレタ島からやってきたドイツの爆撃機に爆弾を投下され、被弾し、アンカーを下ろした状態で水中に沈みました。

1941年に沈んだ後、15年経った1956年にジャック・クストーがティスルゴームを発見すると、世界中のダイバーに知れ渡り、以来、世界で最も有名な沈船のひとつとなっています。

ティスルゴームは水深30mの砂地の上に水平に沈んでいますので、沈船内に入っても違和感がなく、まるで普通の船内を回っているようにストレスなくダイビ ングする事ができます。 第一貨物庫、第二貨物庫では軍用トラック、ジープ、バイク、分解された戦闘機が船に積んであった、ほぼそのままの状態で見ることができます。船尾では対空 砲 2基とダイバーの 2倍はある巨大なプロペラが完全な形で残っています。 沈船から15mほど離れた水深30mの砂地には、軍用蒸気機関車があり、当時の衝撃の大きさを物語っています。さらに、船の中間部分にはキャプテンルーム とキッチンがあり、中へ入ることが可能です。

また、ティスルゴームは人工の珊瑚礁としても最高のダイビングスポットです。魚影が濃く、バラフエダイやツバメウオの群れ、イソマグロやロウニンアジを見ることができます。

シャーグ・ロック(Shag Rock)

シャーグロックは、シャアブ・アリの入り江の西側に位置し、南東部にある灯台が目印です。リーフの北側には、座礁して、そのまま沈んだ サーラH が水深5mから10mの間に横たわっています。レックダイビングとしては少々小さめですが、船にびっしりついた珊瑚は見ごたえがあります。シャーグロック の北側は波が高い時が多いので、ゾディアックでのドリフトダイビングが一般的です。

ダイビングはサーラH付近から始めます。沈船周辺は水深5mから20mまで穏やかな斜面になっていて、珊瑚で埋め尽くされています。テーブルコーラルやラ ズベリーコーラルが所狭しと群生しています。沈船には珍しいオレンジヘッド・バタフライフィッシュ(ミカドチョウチョウウオの固有種)が数ペア住んでいま すし、縄張り意識の強いアラビアン・サージオンフィッシュ(ハギの固有種)がダイバーを威嚇して泳ぎ回っている面白い場面に出くわすかもしれません。また ブラックスポッティド・スウィートリップ(固有種のコショウダイ)が群れを作っているのもこの辺りです。コーナーを回ると傾斜面からドロップオフ (切り立った岩場)へと変化します。